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ウールのシワとお手入れ

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着用シワを直すには?

衣服を着用すると必ずシワがつきます。もちろんアイロンをかければほとんどのシワは消すことができますがチョット面倒ですね。でもウールやウール混紡品なら簡単にしわを消すことができます。その方法をお話しします。

シワができるメカニズム

平面の織物が着用によりシワ(立体)になるのは次に挙げる三つのズレが生じ、ズレたところで固定化するからです。

① 織物の組織点のズレ:織物は経糸と緯糸を組み合わせて形成しています。この経糸と緯糸が重なる交点を組織点といいます。着用による外力でこの組織点でズレが生じ、ズレたところで固定化するとシワになります。織物には様々な組織(平織・綾織など)がありますが組織点が動きやすい構造のものほど、シワになりやすいといえます。

② 糸内部の繊維のズレ:外力により織物を構成する糸が変形し、糸の中の繊維同士にズレが生じて固定化するとシワになります。繊維が動きやすい糸(撚りが甘いなど)ほどシワになりやすいといえます。

③ 繊維内部のズレ:ウールや綿では繊維内部の分子間に水素結合(一時的)というものがあります。この結合は水に濡れると切れ、乾燥するとまた繋がるものです。ウールや綿は、乾燥した状態ではほとんどシワになりませんが、濡れると水素結合が切れ、変形した状態で乾燥すると再び水素結合が生じて変形状態で固定、つまりシワになってしまいます。着用中のシワにはこれが最も影響すると思われます。

一方、ポリエステルでは水素結合は生じませんが長時間の変形で塑性変形(永久的)が生じ、やはりシワが固定化されます。

シワを回復させる方法

水素結合は一時的なもので水に漬けたり水蒸気を当てると結合は切れます。スチームアイロンはこれを利用し、スチームで水素結合をいったん切断、平面に伸ばした状態でコテ面の熱で乾燥させフラットな状態で再度、水素結合で固定化するものです。

ウールは弾性回復力に非常に優れた繊維です。そのためスチームアイロンで平面に押さえなくても、例えばスチーマーの蒸気を当てるだけで水素結合が切れると自身の弾性回復力で元の状態に戻ることができます。吸湿時の繊維の膨潤も回復に寄与しています。弾性回復の際には繊維内部のズレだけでなく、織物の組織点のズレも修復してしわを解消してしまいます。綿はスチーマーで水素結合は切れるのですが弾性回復力があまり大きくないので自力ではシワは完全には回復しません。

ポリエステルはシワになりにくい繊維ですが長時間の変形で塑性変形が生じると蒸気では回復しません。アイロンの熱で柔らかくして(熱可塑性)平面状で冷やしてシワを消す必要があります。

下の写真はボトルに2日間詰め込んだウール100%~ポリエステル100%の織物です。(上段:シワ付け後 下段:スチーマーで回復後) 鞄に服を詰め込んで長時間放置したことを想定しています。蒸気を当てるとウール100%はもちろん、ウール30%でもほとんどシワが回復することがわかります。

ウールは”形状記憶”する

服のお手入れでまず大事なことは外出から帰ったらハンガーに掛けることです。スラックスやスカートは専用のハンガーで、スラックスはできれば裾を上にして自重で伸ばすようにしましょう。着用中に着いたシワは一時的なもので室内で吸湿して水素結合が切れて徐々に回復していきます。積極的に湿度を与えてやるとさらに効果的です。スチーマーが無くても霧吹きしたり湿度の高い風呂場に掛けるとより回復が早くなります。 このように自然にシワが消えて元の状態にもどることから、ウールは”形状記憶繊維”であるとも云われています。

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