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ウールは ”蒸れないのに水を弾く” 不思議

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ウールは吸湿するのに水を弾く!

「ウールは天然のエアコン」の記事でウールの高い吸湿性のことをお話いたしました。しかしウールの大きな特徴の一つに水を弾く、撥水性もあります。ウールの生地に水滴を落とすと下の写真のようにキラキラと輝く水滴になります。これは一時間ほど放置しても浸み込むことはありません。

薬剤を使った加工をせずに、これほどの撥水性をしめす繊維はウール以外にはありません。しかも高い吸湿性もあるのはなぜでしょうか?

ウールが水を弾く理由

ウールの表面を覆うスケール(キューティクル)は下図上(「羊毛の構造と物性」繊維社より引用)のように多層構造になっています。そして一番外側のエピキューティクルをさらに拡大すると下図下のようになっており、一番外側には18-メチルエイコサン酸(18-MEA)が規則正しく配列しています。18-MEAは炭素数が21個の脂肪酸で、羊毛表面の摩擦抵抗を小さくする界面潤滑剤としての機能を果たしているようです。この18-MEAが撥水性のためにウールは全体として水を弾く ”撥水性” を示すのです。

ウールが吸湿する理由

湿気は水蒸気、つまり気体です。液体の水は分子同士がくっついて(凝集)大きな水滴を形成していますが、湿気は気体のため十分に小さく、キューティクルの重なりの隙間から内部の吸湿性(親水性)のコルテックスに侵入し、吸着されるのです。

二律背反が可能にした快適性

吸湿性に優れた綿やレーヨンは水に濡れてしまうと冷たく感じます。一方、ビニールカッパや撥水加工した合成繊維は水は弾きますが吸湿性がないため蒸れて不快になります。ウールは水を弾くのに吸湿性もあるという、一見相反する性能を兼ね備えているために、様々な環境条件でも快適に過ごせる、まさに神がかった繊維だといえるでしょう。

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