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ウールは燃えにくい
ウール製品が燃えにくいってご存知ですか?昔は火事のときに火の中に飛び込んで救助する消防士の防火服はウールで出来ていました(現在はアラミドせんいが主流です)。現在でも飛行機で使われる膝掛けにはウールが使われています(高級なのでファーストクラスだけかもしれません)。ではなぜウールは燃えにくいのかをお話しいたします。
ウールの燃え方
下の写真は垂直法(A4法)という燃焼試験の様子です。短冊形の試料の下部にバーナーで点火し、12秒後にバーナーを離して燃え方、炭化の様子を観察するものです。
左側のウール100%生地はバーナーが点火している間は燃えるのですが、バーナーが離れると自然消火します。燃えた部分は炭化しています。右側のポリエステル100%生地はバーナーで点火すると黒いすすを出しながら激しく燃え上がり、バーナーが離れても燃え続けて全焼してしまいます。また燃焼中にポリエステルが燃えながら落ちる、溶融滴下が起こっています。
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ウールが燃えにくい理由
ウールは天然せんいの中でも水分を多く含み、またタンパク質のため窒素が多く、そのために燃えにくいと云われています。下表はLOI値(臨界酸素指数)という、その素材が自然燃焼を続けるのに必要な環境中の酸素濃度を示しています。数値が大きい程燃え続けるのに濃い酸素を必要とし、燃えにくいということです。
空気中の酸素濃度は約21%です。LOI値が21より小さい素材は一度点火すると空気中で燃え続けることを表しています。現在の防火服に使われているアラミド、特にメタアラミドはLOI値が29以上なのでとても燃えにくいことがわかります。ウールのLOI値は25、空気中では必要な酸素が不足して自然消火するのはこのためなのです。一方、綿や合成繊維(ポリエステル・ナイロン・アクリル)はLOI値が20以下のため、一度点火すると空気中で燃え続け全焼してしまいます。
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災害時にはウールの毛布が命を守るかも!
ご家庭の毛布が何で出来ているかご存知ですか?一度「品質表示」を確認してください。最近では価格が安く、その割にふっくらと暖かいアクリル毛布が主流になっています。もしあなたが汗かきなら吸湿性に優れたウールの毛布の方が快適に眠れると思います。
ところでもし家が火事になっとき、難燃性のウール毛布を頭からかぶって逃げると安全に脱出できるかもしれません。間違ってもアクリル製の毛布をかぶってはいけません。アクリルは可燃性でしかも溶融するため”火だるま”になってしまうからです。そのうえ燃焼時にシアンガスという有毒ガスを発生します。過去に歴史に残る百貨店火災(放火)の死因のほとんどは焼死ではなく一酸化炭素・シアンガスといった有毒なガスによる中毒死なのです。航空機や船舶など密閉空間でウール製品が使われているのはこのような理由からです。
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