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ウールを洗うと縮む理由

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洗うとウールはフェルト化する

ウールのセーターをうっかり洗濯機で洗ってしまって縮んでしまったことありませんか?このように縮んでしまって硬くなることを”フェルト化する”といいます。縮まないようにするためにはドライクリーニングで洗濯したり、縮まないように加工したウール(防縮ウール)を使用した製品を買う必要があります。またわざと縮ませて製品化したものをフェルトと呼びます。

ウールを洗うと縮むのはなぜか?

ウールの構造

ウールは下の図(「羊毛の構造と物性」繊維社 から引用)のように複雑な構造をしています。一番外側の屋根瓦のように重なり合って包んでいるのがキューティクルとよばれる部分です。キューティクルは硬く丈夫で表面は水を弾く撥水性です。キューティクルは人毛にもありシャンプーのコマーシャルで聞き覚えのある方もいると思います。 キューティクルは水にぬれると反り返り、向きが異なる繊維同士は引っ掛かり、もみの力が加わることでラチェットのようにどんどん絡みが深くなることでフェルト化し、硬く締まった塊になります。ヒトや動物の毛は一方向に並んで生えていますので洗ってもフェルト化して縮むことはありません。

キューティクルはなぜ濡れるとと反り返るのか

ではなぜキューティクルは濡れると反り返るのでしょうか?キューティクルを拡大したのが下の図(「羊毛の構造と物性」繊維社 から引用)です。キューティクルは4つの部分(外からエピキューティクル、エキソキューティクルA、エキソキューティクルB、エンドキューティクル)から構成されています。図中に ”%Cys” とあるのは硫黄分の多いシスチンとよばれる硬いたんぱく質の含有量を表しています。エキソキューティクルAでは35%、エキソキューティクルBでは15%、そしてエンドキューティクルでは3%と、内側に行くに従ってシスチンの含有量が下がっていきます。キューティクルは水に濡れるとシスチン含有量の少ないエンドキューティクルは水を吸って膨潤します。一方、シスチン含有量の多いエキソキューティクルはエンドキューティクルほど膨潤しないため、まるで「バイメタル構造」のように外側に反り返ることになります。

フェルト化しやすい条件

衣類は縮むと困りますが、この性質を利用してフェルト化させたものにピアノの鍵盤をたたくハンマーフェルト、マジックインクの芯、毛筆の下敷きなどがあります。またフェルティングニードルなどの道具を使わなくても手のひらで揉むだけでフェルトボールを作ってアクセサリーにすることもできます。フェルト化しやすい条件を列挙します。

①ぬるま湯

②洗剤(できればウール用でない、アルカリ石鹸がよい)

③もみの力

以上の条件ではキューティクルに水が浸透しやすく、また繊維が柔らかく絡みやすくなるのでフェルト化しやすくなるのです。この逆の条件にすると普通のウールでも洗うことができます。⇒「だけどウールは洗える」

ボーダー
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